2026.05.07 - Thu
maki
イキルトスタートアップ交流会に参加しました – 捨てる布に新しい命を吹き込む
リーピーは 2026年4月22日、NPO法人ひだまり創が主催する 「iquilt(イキルト)スタートアップ記念交流会」 に参加しました。会場となった岐阜市島新町のひだまり創には、平均年齢 80 歳の元縫製職人「チームおーばー80」のメンバー5名と、当社を含む連携企業が集まり、廃棄されるはずだった繊維と高齢者の技術を結びつける新プロジェクトのお披露目が行われました。
iquilto(イキルト)とは
プロジェクト名「iquilto(イキルト)」は、行き場をなくした布と技術に再び命を吹き込むブランドです。大量生産・大量廃棄が当たり前になってしまった今、繊維業界では 毎年約170万トンもの繊維製品が廃棄されていることが問題になっています。古澤由加里理事長によると、スラッシュキルト(複数の布を重ねて切り裂きながら模様を浮かび上がらせる技法)を使って残布をアート作品に昇華し、「捨てる」を「生む」へと転換することが iquilto の使命なのだそうです。
この取り組みは、廃棄される繊維資源と高齢者の未活用の技術を結びつけることに重点を置いています。高齢者の孤立予防と地元企業のサーキュラーエコノミー実践を同時に実現する試みとして注目され、参加企業は自社から出る廃棄繊維を提供してプロダクト開発に協力しています。

当日のプログラム
当日は「試作品のお披露目」「スラッシュキルト実演」「トークセッション」の3部構成で行われました。特に印象的だったのは、職人のみなさんが廃Tシャツからノートパソコンケースを作る実演です。会場では、厚く重ねた布を縫い合わせ、表面を丁寧に切り開きながら独特の質感を生み出す工程が披露されました。完成した PC ケースは彩り豊かで、市販品にはない温かみがあり、参加企業の担当者にも大好評でした。

スラッシュキルトの加工風景。何枚にも重ねた生地の一番上の記事だけカットし起毛させる技術。力を込めつつ、ローラー型の刃を均一な感覚でまっすぐ走らせる繊細な作業です。刃を布に当てるだけでも難しい技を、みなさんの手はさらりとこなしていました。

ミシンでの縫製の様子も見せていただきました。印のない布に対して、目視だけでまっすぐ・等間隔に何本も縫い進めていく作業。熟練の技術だからこそ成せる、精度の高い手仕事です。
古澤さんのプレゼンテーションで心に残ったこと
交流会では、ひだまり創の古澤由加里理事長が iquiltoの背景や今後の展望についてプレゼンテーションを行いました。古澤さんが強調していたポイントをいくつか紹介します。
「捨てる」を「生む」へ
古澤さんは、戦後の岐阜のアパレル産業を支えてきたのは自宅のミシンで内職をしていた多くの女性たちであり、彼女たちの技術は街の発展の歴史そのものだと語りました。それでも、高齢化と共に「役割がなくなってしまった」と感じる方も多く、行き場を失った技術が眠っている現状があります。「捨てられるはずだった布に再び命を宿す」 ことは、その技術に光を当て、「生きる喜び」を生み出すことに繋がるのだというメッセージが心に残りました。
マッチング図に込めた想い
プレゼン資料では、難易度に応じてさまざまな作業を整理した “おーばー80マッチング図” が紹介され、80 歳以上の方々が地域の困りごとに合わせて活躍できる仕組みを示していました。布雑貨の制作だけでなく、折り紙や編みぐるみなど多彩な仕事が用意されており、高齢者の「誰かの役に立ちたい」という気持ちを無理なく受け止めることができる設計です。
「負のコスト」を「プラスの生産性」へ
さらに、古澤さんは残布や廃棄服といった “負のコスト” を、スラッシュキルト加工と職人の技術で 高級感のあるオリジナルグッズへと変える 点を強調していました。廃棄コストの削減に留まらず、人の手が加わることで新しい価値と雇用が生まれる――その仕組みが多くの参加者の心を打ったようです。

メディア掲載と反響
当日はたくさんのメディアが入りました。岐阜新聞、中部経済新聞、岐阜放送「ぎふチャン」、CCN放送と、地元メディアはじめYahoo!ニュースにも取り上げられました。記事では「廃棄繊維活用し新ブランド」「岐阜アパレルを支えた 70〜90 代女性 熟練の技で新ブランド」といった見出しが躍り、チームおーばー80 の活動が地域経済の新たな光として紹介されています。メディア各社が iquilto に注目したのは、社会課題の解決と経済活動を両立させるユニークさにあると感じました。
また、私たち企業と職人さんたちが直接対話する様子や、チームおーばー80の皆さんが自分たちで完成品を届ける姿が紹介されました。企業から提供されたTシャツが鮮やかなPCケースに生まれ変わり、参加者同士が顔の見える関係を構築できたことが大きな成果として伝えられています。

今後の展望とリーピーとしての関わり
私たちリーピーは、地元企業の一員として廃棄繊維の提供や商品開発に協力するだけでなく、社内外の多くのお客様に iquilto の魅力を伝えていきたいと考えています。当社は イベントのハイライトの一つである PC ケース の試作品を実際に使用させていただきました。手に取ると、スラッシュキルトならではの柔らかい手触りと色彩の重なりに思わず笑顔がこぼれます。今後も打ち合わせやイベントなどで積極的に使用し、機会を見て多くのお客様にご紹介していきます。
最後に、このプロジェクトを通じて「行き場のない資源」と「行き場のない技術」が出会い、双方が輝きを取り戻す瞬間を間近で見られたことは大きな学びでした。社会課題の解決に寄り添うこの取り組みがより多くの人に届くよう、今後もリーピーは支援と情報発信を続けていきます。
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この記事を書いた人
maki
広報・PR担当/広報ブログや公式Xを更新しています/岐阜やお客さまのことを知ることに日々楽しく奮闘中♪/PRの仕事の中でもリリースを書くことが一番好きです!/ひとり広報
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