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2020.04.11 - Sat

withコロナ時代を見据えたWeb戦略 ~8営業日で20件あった問い合わせから考える~

新型コロナウイルスの影響はBloombergの記事で、ゴールドマン・サックス証券は日本のGDP(4~6月予想)がマイナス25%と、戦後最大とも言える落ち込みを予想していると書いてありました。お取引様にも毎回各業界の情報をヒアリングさせていただいておりますが、仕事が全く無くなっている、周りの企業でも倒産しそうな会社が増えているといった話を多く聞きます。

先日マイクロソフトが2021年7月までのイベントを全てオンライン開催に切り替え、その他の方面でもこの影響は数カ月ではなく、半年、1年、さらには2年程度は継続する見込みとの意見もあり、これは不況ではなく、もはや恐慌と言える事態に入っているとも言えます。

このコロナは人々の生活と価値観を一変させました。これまで往復2時間かけて会議に行くことが当たり前だったにも関わらず、一瞬でその必要性を奪いました。移動時間の多くは人々がこれまで持っていた常識が生み出していた、今となっては弊害と言ってもいい、人々の行動パターン・概念です。初めて会うのであれば対面じゃないとダメだ、対面で会える企業だから取引をする、このような価値観が一瞬で無くなったとも言え、おそらく、これはコロナが落ち着いた後も元の感覚には戻らないと思います。なぜなら、当面このオンラインの流れが続くことで、この利便性に多くの人々が気づき、わざわざ移動する時間の無駄と、もしかしたら感染症にかかるかもしれない相手のリスクへの配慮から、対面の必要性を感じないようになると考えるからです。

新しいテクノロジーも方向性が変わると思います。AIは当然大事なのですが、VRやARといった技術よりも、おそらく、よりリアリティのあるビデオ会議の映像を写すカメラ性能、さらに音質の良いスピーカーやマイクなど、オンラインで人と人とが会話する分野でのテクノロジーの発展が盛んになるはずです。まずは、このオンラインで人々が繋がる世の中をより快適にする方向に進むと思います。つまりは昨年からよく言われているDX(デジタルトランスフォーメーション)が予期せぬタイミングで一気に広がりを見せたとも言えます。IoTやRPA、AIなどがDX化と言われていましたが、ビジネスの基本となる「商談」が一気にオンライン化されたことは、圧倒的なDXが進んだと考えます。

そんな中、現在当社には数多くのお問い合わせをいただいており、この4月に入ってからの8営業日で20件の新規のお問い合わせをいただきました。そのお問い合わせの中で、これまでと明らかに変化しているのはエリアです。これまでは当然地元岐阜が多かったのですが、最近のお問い合わせの80%は岐阜県外です。しかも、お隣・愛知県だけではありません。大阪、群馬、静岡、宮城、兵庫、広島、東京など様々なエリアの方からお問い合わせをいただいています。これほど遠方の方々からのお問い合わせが続くことは、これまで県外からお問い合わせは愛知県含め40%ほどでしたので、それが一気に80%に増えたことは何か変化を感じます。

このことから、コロナが一変させた世の中の変化と、これからもまだ終わりが見えないwithコロナの時代におけるWeb戦略を考えてみます。

企業のオンライン化をしないと取り残される

今回のコロナの影響でオンラインしか選択肢が無い状況となり、企業のビジネスモデルも一変させないといけないことが分かりました。オンライン対応ができるかできないか。当社クライアントからも訪問が出来なくなっていると聞きますが、そもそも今はこれがいつまで続くかも分かりません。そうなると、これまで訪問するしか自社のビジネスを拡大できないと考えていた前提が全く変わることになります。オンラインでどこまでサービス提供ができるのか。このオンライン対応ができない企業はどんどん取り残されていきます。当社も建築や不動産のクライアントも多いのですが、オンライン対応を考えた方が良いですよ、とお伝えしています。例えば、建築系は現地調査は必須ですが、その手前までの工程とその後の商談の工程はオンラインで対応する、賃貸仲介の会社はオンライン内覧を実施するなど、これまで現地かつ対面でしか出来ないと思われていたことに対し、オンラインでやれないか模索してみる姿勢が今後のビジネスモデルにおいては必要だと考えています。人々が覚えてしまった価値観はそう簡単には変わりません。仮に夏にこのコロナが終息したとしても、次の冬には今と同じ状況が生まれると思います。仮にコロナが無くなっていても、毎年発生しているインフルエンザに対しても今と同じ感染症予防の行動を取るはずです。そうなると、そもそもオンライン前提でビジネスを考えないと、その機会を全く捉えられないことに繋がります。本当に自社のビジネスはオンライン化できないのか?改めて考えてみて、オンライン化していかなければ、企業拡大はありえないものになってきたと考えます。

オフィスの重要性が一気に薄れた

在宅勤務が増え、オフィスの重要性は全く無くなりました。東京に拠点を構える意味も薄れたと考えます。逆にこれは地方の企業にとっては大きなチャンスです。近場だから良いと思っていたら、近場でも結局オンラインで取引を進めることになり、そうなると近場である理由が無くなります。従業員もわざわざ会社に集まる必要性が無くなり、今の在宅勤務時期で、机や椅子が売れているようですが、これは自宅をより快適な仕事場に変えていっている証拠なので、自宅で仕事をすることを希望する社員も増えていくはずです。そうなると、オフィスは仕事場ではなくなり、ある意味、ショールームのようになっていくかもしれません。ただ、オフィスの快適性が不要というわけではなく、たまに集まる時の快適性がポイントになってくるかと。そのため、デスク中心のオフィスではなく、快適なミーティングが出来る会議室だったら、くつろげる休憩室だったり、当然周りに音が漏れないビデオ会議用の個室の増設だったり、オフィスに求められる部分がこれまでとは違うものになると考えています。

エリア集中戦略は終わり、場所を問わない新規開拓、採用活動が必要に

ランチェスター戦略などではエリア集中戦略が中小企業の必須の勝ちパターンでした。とにかく狭く狭く、そこでNo.1を取ることで利益を生み出せる、エリア集中戦略の在り方も変わる気がします。オンラインでサービス提供ができるのであれば、近場である必要性が無くなります。当然、現場でしか出来ないサービスは近場の方が有利なケースも残ると思いますが、その「エリア」の範囲もこれまでよりももう一回り大きくなると考えます。多少遠くても、商談段階では別に、近場である必要性が無くなります。そのため、エリア集中戦略も競合の範囲が広がり、逆にオンラインでアプローチできる会社の方が優位に立つケースも考えられます。そのため、自社のサービスにおいて、近場以外にも提供できるサービスは全国相手の展開を考えた方が市場が一気に広がり、ビジネスも広がりやすくなってくると言えます。同時に採用活動も確実に変わります。当社も先月から自社の新卒採用説明会をオンラインで開催していますが、オンライン化してから一気に参加者のエリアが拡がりました。これまでは岐阜本社で説明会を開催していたことから、岐阜愛知以外の参加者は20人に1人くらいの割合でしかいませんでしたが、最近の説明会では約50%が岐阜愛知以外からの参加者です。関東、関西、九州から当社のオンライン採用説明会に参加していただいています。仮に入社することになったとしても、そもそも、本社勤務ではなく、その人が住んでいる場所、例えば九州に住んでいて、岐阜の当社の正社員ということも十分に考えられますし、これからの組織創りにおいてはこの前提でも考えられる会社に人が集まると考えています。特に中小企業は採用が年々難しくなってきているので、職種によっては始めから在宅の遠方在住の採用を行っていった方が良いです。


このように、コロナが生み出したオンライン化の流れは企業経営の在り方を変えました。その中でWeb戦略を考えると、このオンライン化の対応は必須といえ、さらに人々がインターネット内で過ごす時間が増えることで、企業のWebサイトの役割はさらに重要になってくると考えています。これまで以上にWebサイトから情報を得る機会が増えますので、自社のサービス紹介だけではなく、例えば、自社のサービスに関するFAQ(よくある質問)もWebサイトとして紹介したり、自社の採用においても採用に関するコンテンツに特化した採用サイトも必要になってきます。それくらい、人々がWebから情報収集する割合がこれまで以上に増えてくるでしょう。

今の時期に当社への相談が増えていることを考えると、成長意欲の高い会社さんほど、新たな取り組みにスピード感を持って取り組み、自社を変革させようとしています。その中でこれまで必要だと思われていた「近い距離」の概念が無くなり、全国から適したパートナーを探す行動が増えています。

自社のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進することが、これからのwithコロナの時代を闘い抜くための大切な方法だと考えています。


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