2026.02.14 - Sat
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岐阜市のワークダイバーシティ成果報告会に登壇しました!〜企業の本音を語るパネルディスカッション〜
2月12日(木)、岐阜市の「みんなの森 ぎふメディアコスモス」で開催された〈WORK ! DIVERSITY プロジェクト in 岐阜 2025年度成果報告会〉に参加しました。
テーマは『ダイバーシティ雇用と人材戦略の新たな可能性』。労働人口が減少する中、多様な働きづらさを抱える方々が活躍できる仕組みづくりを地域でどう実現するかを議論するイベントです。当社は雇用施策検討会の参加企業として本プロジェクトに携わっており、代表の川口が第二部のパネルディスカッションに登壇しました。
当日は、自治体関係者をはじめ、地方議員や民間企業など多くの一般参加者が来場し、用意された約180席は満席となりました。本取り組みへの関心と注目度の高さがうかがえる一日となりました。
成果報告会の概要

報告会では、これまでの活動(※)を振り返りながら、企業・行政・支援機関が連携して“働きづらさのある人”の活躍の場を広げるためのヒントを共有しました。今回のテーマは『ダイバーシティ雇用と人材戦略の新たな可能性』で、労働人口減少が進む中で地域経済の持続可能性を高めるため、多様な人材活躍の仕組みを構築する重要性が強調されています。
プログラムは次の3部構成でした。
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第一部 活動報告 – 一般社団法人サステイナブル・サポート代表理事の後藤千絵さんが、2025年度に実施した就労支援の成果と課題を共有しました。
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第二部 パネルディスカッション「企業の立場から見えた課題と必要な施策」 – ファシリテーターの秋元祥治氏(岐阜市活性化研究所所長/武蔵野大学教授)が進行を務め、パネリストとして田中信康氏(サンメッセ株式会社代表取締役社長)、川口聡(弊社代表取締役)、田代達生氏(カンダまちおこし株式会社代表取締役)、後藤千絵さんが登壇しました。
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第二部幕間 提言書提出セレモニー – 雇用施策検討会の参加企業17社が、岐阜市長へ具体的な提言書を手交しました。
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第三部 岐阜市長に聞く「岐阜市で拓くワークダイバーシティの構想について」 – 柴橋正直岐阜市長と公益財団法人日本財団アドバイザーの木村弥生氏によるトークセッションが行われ、制度化に向けた今後の展望が語られました。
パネルディスカッション:企業が語る課題と必要な施策

パネルディスカッションでは、企業の現場から見た「雇用の多様性」について率直な意見交換が行われました。冒頭で、秋元ファシリテーターが「岐阜への愛着を持つ一経営者として、登壇者と共に学びたい」と語り、会場の雰囲気を和らげました。事前アンケートでは参加者の理解度にばらつきがあり、「詳しく知りたい」と答えた方が6割以上だったそうです。議論は、各企業の自己紹介から始まり、なぜ今ワークダイバーシティに関わるのか、そして実践に向けた課題や施策へと進みました。
各社の問題意識と取り組み


サンメッセ株式会社の田中氏は、印刷業界の将来不安を背景に「コミュニケーション」を新たなパーパスに掲げ、多様な働き手の活躍機会創出を企業の使命と捉えていることを紹介しました。障害者雇用率が2.72%、社員の平均勤続年数21.8年などの具体的な数値を示し、社会貢献を企業文化として根付かせている点が印象的でした。
株式会社リーピーの代表・川口は、2024年のシンポジウムでは本テーマを「障害者雇用の話」と受け止めていましたが、引きこもりやがんサバイバーなど制度の狭間で働きづらさを抱える人たちが数多く存在することを知り、岐阜の中小企業に広くこの問題を伝える使命感が生まれたと語りました。特に、採用相談を受ける中で「能力がないから採用しない」のではなく「そもそも応募がない」「接点が乏しい」という構造的な問題に気づいた経験を紹介し、ワークダイバーシティは中小企業にとって新たな選択肢となり得ると指摘しました。また、世の中の多様化に対応するためには企業自体も多様化しなければならないという「必要多様性の法則」(アシュビー)に触れ、秀でた能力を持つ人材を活かすための採用・配置設計の見直しを提案しました。
カンダまちおこし株式会社の田代氏は、岐阜県の有効求人倍率が全国でも高水準であるにもかかわらず人手不足が深刻である現状を指摘し、「ワークダイバーシティは反対されないが本気になりにくい」ことが最大の課題だと強調しました。社会を変えるには制度・意識・技術の三要素が必要だが、この領域では特に制度と意識改革が鍵になるとの考え方を示しました。
一般社団法人サステイナブル・サポートの後藤代表理事は、支援制度の狭間にいる人々の実態を共有し、既存の就労支援プラットフォームだけでは支え切れない現状を説明しました。
「最初の壁」と意識改革の難しさ
議論の中で共通していたのは、企業が最初の一歩を踏み出すことの難しさです。働きづらさを抱える人の受け入れにはひと手間以上の工夫が必要で、人事・総務担当者にとって負担が大きく感じられるため、なかなか取り組みが進まないのが実情です。川口は「多くの中小企業は実践に踏み切れないだろう」と本音を語りつつも、慢性的な採用難に直面する企業にとってワークダイバーシティは重要な選択肢であり、制度化によるインセンティブ設計と企業側の意識改革を両輪で進めるべきだと述べました。
田代氏は「制度がないと企業は動かない。義務付けが導入されることで初めて本気になれる」と指摘し、障害者雇用制度の経験則を踏まえて行政側の制度設計が意識改革の突破口になる可能性を示しました。後藤代表理事も、制度と併せて企業が社会貢献を評価される仕組みを整える必要があると強調しました。社会善の担い方が分からない企業に対して、インパクト評価やプレスリリースを通じた発信が採用活動やブランディングにプラスになることも議論されました。

3つの課題と提言
議論の最後には、ワークダイバーシティ推進に向けた課題が三つに整理されました。
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財源の確保 – 国や自治体が将来の税収・社会保障費を見据え、就労支援への投資を行う必要があります。
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障害者団体など既存の支援団体との対話 – 障害者雇用制度の歴史を尊重しながら、“働きづらさ”を医療モデルではなく社会モデルとして捉え直すことが求められます。
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企業理解と雇用機会の拡大 – 受け入れ体制の整備や評価制度の見直しによって、企業が実際に採用へ踏み出せる環境をつくる必要があります。
川口は、制度が整っても実際に動くのは企業であり、その源泉は企業の「熱量」だと強調しました。行政や支援機関の力を借りながらも、私たち民間企業が主体的に行動することの重要性を語りました。
岐阜市長との対話:制度化とセンター設立に向けて
第三部では柴橋正直岐阜市長が登壇し、パネルディスカッションでまとめられた提言書を受け取りました。市長は、雇用施策検討会の議論に感謝を示し、「岐阜市として前向きに取り組む」と明言しました。提言書の中でも特に「企業への支援制度・優遇措置の拡充」と「ワークダイバーシティセンターの設置」を重要事項として挙げ、入札評価での加点措置など具体例を示しました。
市長は、多様な人が気軽に相談できるマネジメントセンターを整備し、ひきこもりやがんサバイバー、刑務所出所者などが自然体で企業とつながれる「居場所」をつくりたいと述べました。さらに、岐阜市内の既存施設を活用した再開発計画や近隣自治体との広域連携、超短時間雇用事業と組み合わせた支援策など、制度化に向けた具体的なビジョンを共有しました。日本財団による国の制度化への提言や超党派の議員連盟の動きについても触れ、岐阜発の取り組みが全国へ広がる可能性が示されました。

これからの取り組み
今回の成果報告会を通じて、多様な働き手の力を活かす仕組みづくりが、地域経済の持続性に直結していることを改めて実感いたしました。なお、当社代表・川口は、中部経済新聞にて、今月より採用や組織づくりをテーマにした連載コラム「採用と組織の次の一手」を執筆しています。中小企業の現場で実際に起きているリアルな事例や、日々寄せられる採用・組織課題をもとに発信していますので、ぜひご覧ください。
今後は、雇用施策検討会での議論や提言内容を踏まえながら、
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中小企業の採用支援を行う中で、ワークダイバーシティの視点を積極的に取り入れていくこと
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企業が具体的に取り組みやすいよう、業務の切り出し方や評価の方法など、現場レベルのノウハウを共有していくこと
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行政や支援機関と連携し、制度化やセンター設立に向けた情報提供や意見交換に参加していくこと
に注力してまいります。
働きづらさを抱える人が自分らしく働き、企業も多様な人材を受け入れて成長していく——。そんな循環を岐阜から生み出し、全国へと広げていけるよう、これからも挑戦を続けてまいります。
※提言書提出に至るまでの活動については、以下でご紹介しております。
川口が共同発起人となった、就労困難者支援を目的とした「雇用施策検討会」へ出席いたしました。
株式会社リーピー 代表取締役 川口が共同発起人として参加した就労困難者支援のための『岐阜市ワークダイバーシティ雇用施策分科会』の提言書を岐阜市長へ提出―全国に先駆け、先行モデルとしての推進を目指す
この記事を書いた人
maki
広報・PR担当/広報ブログや公式Xを更新しています/岐阜やお客さまのことを知ることに日々楽しく奮闘中♪/PRの仕事の中でもリリースを書くことが一番好きです!/ひとり広報
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