2014.09.05 - Fri
「地方創生」にとって必要なことは潜在能力の引き出し
第二次安部改造内閣が始まり、石破茂さんの地方創生大臣に個人的には注目しています。石破大臣いわく、「安全保障の次にやりたいテーマ」が「地方の再生」とのことです。当社の位置する岐阜県も総務省統計局のデータですと、平成25年度は前年比で-0.48%の人口減少とのことで、よく言われる「地方の疲弊」は地方に住む人は実態経済ではそこまで感じないかもしれませんが、確実に進行しているのは事実です。日本国内の生産年齢人口も32年ぶりに8,000万人を下回ったとのことで、企業の人材の奪い合いも加速化し、2014年7月の有効求人倍率は岐阜県全体平均で1.36と高い水準で毎月のように上昇しています。
本日の日経新聞の社説でも『潜在力を生かしてこそ「地方創生」だ』という見出しで論じられていましたが、特に「地域の中小企業群の潜在力を引き出せるかどうかにかかっている」と書かれています。グローバル環境への対応、起業促進、農業の6次産業化、観光分野など、様々なことが必要だとも書かれていますが、こういった地方再生議論が行われる際に、「地方発ではなく、外からの力で地方を再生しよう。」という考え方で進んでしまっていないかということに違和感を感じています。
稲盛和夫さんの言われる「人生·仕事の結果=能力×熱意×考え方」という考え方は、まさに正しいと感じております。よく当社がコンサルティングでご支援させて頂く際にも、ここは気をつけている点です。「熱意」はご依頼される方であれば、どなたでもお持ちです。「能力」はお持ちですが、それを上手く引き出せていないケースが多いので、その本来持つ能力を引き出すお手伝いをするのがコンサルティングだと思っています。答えを全て伝えることは、小善は大悪に似たりだと考えています。そして、「考え方」が最も重要です。これまでやったことが無いことにチャレンジするのは当然です。その時にうまくいかないケースももちろんあります。その時に外部の責任にしがちな方は、大体うまくいきません。お金を払っているので、というお気持ちはすごく分かります。ただ、この「考え方」の部分を間違えて、結果的に自らの「能力」も引き出せずになかなか成長しないことは、今の経済情勢を考えるとそんな悠長なことは言ってられないのではないかと思います。生産年齢人口の減少も、地方の人口減少もゆっくり進んでいるが故に危機意識を持つまでは至っていないように感じますが、仮に今の半分の人口になった時に今のビジネスモデルで果たしてうまくいくのか?ということは、これからの時代、考えておかなければいけないことだと思います。
韓非子にも『人を恃(たの)むは自ら恃むに如かず』とあります。簡単に言うと、「人の力をあてにするな、自分の力を頼め」という意味です。当社も様々な外部パートナーとお取引させて頂いております。丸投げしたくなる時もありますが、そうしてしまうことによる将来的なリスクまで考えると、少なくとも戦略のコアの部分は自分で考え、実行すべきだと考えています。
「地方創生」のコアは、あくまで、地方で働く人全員が主体的に動き、自分が持っている能力を最大限発揮することだと思います。そのためのツールとして、「IT」は活用できると考えているので、当社は「地方企業のIT化による潜在能力の引き出し」を創業時からの理念としております。