2025.11.05 - Wed
maki
中学生向けキャリア教育講座で講演を担当しました。
10月25日(土)、岐阜市内の中学校全体を対象としたキャリア教育講座が開催されました。川口は「IT企業」や「経営者」に関心のある生徒を対象とした講義の依頼を受け、清流中学校にて登壇しました。
当日は、全校放送による開会アナウンスを皮切りに、各教室や体育館で15職種の講師が講話や体験型プログラムを実施。生徒たちはメモを取りながら、さまざまな職業の話に耳を傾けました。川口の講義では、ITの定義や業界構造をはじめ、起業の経験や地域貢献の取り組みについて紹介しました。
また、当日は警察官による指紋採取体験をはじめ、各分野の専門家による実践的な講座も行われました。生徒たちは多様な職業の現場に触れながら、社会の広がりを実感していました。
川口による講義内容
ITとは何か:インフォメーション・テクノロジーの世界
講義冒頭、川口は「ITはインターネットの略ではなく、Information Technology(情報技術)を意味します」と説明しました。IT業界は大きく五つの分野(情報処理サービス、ハードウェア、通信、ソフトウェア、インターネット/Web)に分けられ、Web業界はその一分野にすぎないことを解説。普段SNSやアプリで触れている“IT”の広がりを改めて生徒たちに理解していただく機会となったかと思います。
また、インターネットサービスの歴史とその普及の速さにも触れました。楽天は1997年、LINEは東日本大震災をきっかけに2011年、TikTokは2017年に登場。これらのサービスがわずか10年ほどで生活のインフラとなった事実を示し、「変化のスピードこそがIT業界の特徴である」と語りました。
海底ケーブルと通信の仕組み
続いて川口は、世界のインターネットを支える仕組みについて紹介しました。
「宇宙の衛星ではなく、実は海の底を通っているんですよ」と切り出し、世界のインターネット通信の99%以上が、海底に敷設された光ファイバーケーブルで結ばれていることを説明しました。社会インフラが結びつく具体例として生徒たちの関心を引きました。
インターネットの歴史と技術の進化
川口は、自身が学生時代に体験した1995年前後のインターネット黎明期についても語りました。当時の日本ではダイヤルアップ接続が主流で、通信速度は非常に遅く、Webページの読み込みに数分を要したといいます。
「インターネットを使っている間は電話が通じない」という不便さもあった時代から、現在では光回線やモバイル通信によって、動画やライブ配信が当たり前に楽しめるようになったと説明。技術の進歩が新たなサービスや働き方を生み出していることを実感できるエピソードでした。
川口の講義と起業への思い
川口は福岡県久留米市出身。大学卒業後に東京で勤務したのち、2012年に岐阜市へ移住して株式会社リーピーを創業しました。現在は代表取締役として、Web制作や地域のデジタル支援を中心に事業を展開し、地元に根ざした活動を続けています。
今回の講義にあたって、川口には強い思いがありました。「IT企業に関心を持つ10代が増えてほしい」という願いから、
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「思わず驚きや関心を持ってもらえるような内容にしたい」
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中学生が「新しい発見にワクワクするような講義にしたい」
と考えていたそうです。そのため、リーピーの社員でも答えられないような“業界クイズ”を用意するなど、入念に準備を重ね、楽しみながら学べる講義を目指しました。
起業と地域への思い
講義では、自身の経験を踏まえて「起業とは、会社に雇われる側ではなく会社をつくる側になること」と説明。近年は起業後5年の存続率が約8割と高く、挑戦しやすい環境が整っていることも紹介しました。
一方で、従業員を増やし、組織を継続的に成長させることの難しさにも言及。岐阜県では従業員50人を超える企業は全体の約2%にとどまる現状を示し、「地域で人材を育て、共に成長することが大切」と語りました。
さらに今回は、起業に興味のある生徒が多く参加していたことから、“会社をつくる”というテーマについても、熱意を込めて意気揚々と話を展開しました。
中学生に伝えたいキャリアの考え方
講話の後半では、キャリア形成や努力の仕方について多くのメッセージをお届けしました。
キャリアの語源と成功の定義
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キャリア=通ってきた道 :ラテン語の「carraria(車の通り道)」が語源で、未来の職業だけでなく、これまでの勉強・部活・家の手伝いなど全てがキャリアである。
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成功の基準の変化 :昔は大企業への入社や出世が成功とされたが、今は自分が納得できる生き方が重視される。会社名よりもスキルが選択肢を広げ、人生の安定につながる。
多様なIT職種とチームワーク
IT業界にはエンジニアやプログラマ、デザイナー、コピーライター、マーケター、データアナリスト、プロジェクトマネージャー、カスタマーサクセスなど多くの役割があります。川口は「チームで一つのサービスを作るので、自分に合った役割を見つけてほしい」と呼びかけました。IT業界では理系・文系の区別もなく、資格がなくても働けることが多く、服装も自由であるため、多様な背景を持つ人が活躍しています。
成長は階段状
「成長は一直線ではなく階段状です。なかなか成果が出ない時期もありますが、その踊り場で踏ん張ることが次の成長につながります」と川口は語りました。勉強やスポーツでも、急に伸びない時期を乗り越えると次の段階へ上がることが実感できるはずだと励ましました。
目標・方法・自信と三つの土台
キャリアや勉強、スポーツに共通する3要素として、
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ワクワクする目標を持つこと(例:○○大会に出場したい、○○点を取りたい)。
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効果的な方法を知ること(先生や先輩に聞いて遠回りしない)。
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成功体験に基づく自信を育むこと(小さな達成を積み重ねる)。
さらに、これらを支える土台として、
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仕組みづくり(毎朝15分の練習や日記など、習慣化する仕掛け)、
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仲間(一人では続かないので支え合う仲間の存在)、
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休息(睡眠・栄養・心のリフレッシュ)
が重要であると説明しました。大人になっても通用する考え方として、日常の生活に取り入れてみてほしいとお話ししました。
努力の意義について
講座の締めくくりには「今日の努力は、あなたの夢や目標に一日分近づくこと。努力を惜しまなければ1日早く夢に近づけます」とメッセージをお送りしました。
おわりに
今回のキャリア教育講座では、ITの基本からインターネットの歴史、業界構造、起業や地域貢献まで、幅広いテーマでお話をしました。川口は「仕事とは世の中の課題を解決することです」と繰り返し強調し、
“名を残す”とは「誰かの記憶に残る生き方をすること」だと語りました。
講義の冒頭では少し落ち着きのなかった生徒さんも、次第に真剣な表情で耳を傾け、終盤には多くの先生方が足を止めて講義に聞き入る姿も見られました。生徒の皆さんが自分の道を考えるきっかけとなり、将来のキャリアだけでなく、日々を丁寧に積み重ねることの大切さを感じてもらえたなら幸いです。
清流中学校の生徒の皆さん、先生方、そしてPTAの皆様、ありがとうございました!
この記事を書いた人
maki
広報・PR担当/広報ブログや公式Xを更新しています/岐阜やお客さまのことを知ることに日々楽しく奮闘中です♪/特に、地元メディアの方とお話しすることにやりがいを感じてています/ひとり広報
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全国にある制作会社でも随一を誇る、14名のWebデザイナーが在籍。
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