2023.12.20 - Wed
なぜ、地方企業は管理職採用を常に強化しなければいけないのか?
なぜ、地方企業は管理職採用を常に強化しなければいけないのか?
結論は、とても難しいからです。
たとえば、岐阜市の企業数は【13,000~14,000社】ですが、「卸売・小売業」が約25%を占め、宿泊・飲食業が約10%、医療・福祉が約14%を占めており、この時点ですでに約50%の企業数に達します。
モノづくりの地域であることから、多く存在する印象の製造業も約8%で、企業数としては約1,000社です。それ以外の業界はさらに少なく、各業界100~900社しか岐阜市内にはありません。 従業員数割合で見ると、従業員数20名未満の企業で全体の94%に達します。
(=管理職人材がいなくて、社長が引っ張っている規模感) 従業員数が50名を超えている段階で、岐阜市内の企業の中では上位2%に位置しています。
これを同業界で見た場合に、仮に「300社存在する特定の業界」で考えると、6社程度しか50名を超える規模感の会社がなく、「管理職人材」はこの6社の中で2~3名いたとして、対象者は12~18名しかいません。さらに、この中で「転職活動をしている人」は一般的に2割と言われるため、採用可能性のある人材は【2~4名程度】になります。
現実的には、通勤可能範囲内で見ることができるので、もう少し範囲を広げて隣町程度の距離感で考えても、岐阜市よりも人口の少ない町しかないので、対象となる人材がマーケットに十分に存在しないことがわかります。
範囲を広げて対象者が増えたとして、採用可能性がある人材の数は10名程度の可能性もあります。(概算なのは承知の上で。)
その10名に対し、自社に興味を持ってもらい、転職メリットを見い出さなければ、転職には至りません。(対象者10名というと0に等しく、とても厳しいです。)
成長を目指す企業は、必ず管理職不足の課題に直面しますが、そもそものマーケット感としてこのような状況なので、管理職採用に対しては考え方を変えた方が得策だと考えています。
たとえば、既存社員との年収バランスを理由に希望年収以下の提示しかしない(=入社する確率が極端に下がる)、入社1年目から年収の何倍も粗利を稼いでくれなければ採用に失敗したと捉える(優秀な中途社員でもオンボーディングしっかりして、2~3年のスパンで見ないといけません)、などがよくあるケースです。
生産性を上げて全社員の平均給与を上げたくて、管理職採用をするのに、“既存社員との年収バランスと比べる採用”は考え方を変えていかないと、優秀な人材の採用は永遠にできないと思います。(=今の時点で生産性が上がっていないということは、社長自身の限界とも言えます。自社の即戦力人材は自社にしかいません。同業界経験者でも、自社においては未経験です。)
個人的に良くないと思っているのは、その結果、優秀な人達が都市部の企業に転職したり、大手の地方支社に転職するケースです。
地元企業のことを考えると、地元の人は地元の企業に入社して活躍してくれるのが、一番の地方創生だと思っています。