2020.05.03 - Sun
消費者目線で飲食店のテイクアウトに求めることを考えてみた。
「岐阜テイクアウト」のfacebookグループ、Webサイトを開設して、もうそろそろ3週間経とうとしています。岐阜新聞や中日新聞にも採り上げていただき、アクセス数も順調に増えています。ただ、僕らとしてはここから何かビジネスにしようとも考えていないので、今大変な時期を迎えている飲食店の方々に対し、少しでもお力になれればと運営しています。尚、この「岐阜テイクアウト」の運営は当社に来年入社をしてくる21卒の内定者2名が中心となり、運営しています。自分達で考えて、instagramを運営し始めたり、半分内定者研修のような位置づけでやっています。
いつまで続けるのか、この後どうしていくのかは、あまり考えていませんが、当面は運営を続けますので、ぜひ岐阜県内の方々にもfacebookグループにご参加いただき、いろんな飲食店の方々のテイクアウトを楽しんでいただければと思います。
実際、僕もこの岐阜テイクアウトを始めてから、掲載店舗さんでテイクアウトしたり、週末の昼と夜はほぼテイクアウトにしています。そんなこれまでよりもハイペースでいろんなお店のテイクアウトをするようになってから、ユーザー目線で感じた飲食店のテイクアウトについてのカイゼン点について、勝手ながらまとめてみます。
自宅で食べることを想定したメニューにする
「どこも似たようなメニューに見える。」…おそらく、これはテイクアウトをしている方々から見ると、思っている人も多いんじゃないかと思います。これは何故かと考えると、「テイクアウト=弁当」にしてしまっているからだと思うんですよね。そもそも今はステイホームなので、テイクアウトを食べるのは自宅です。なので、これまでのようにピクニックで食べるような状況ではありません。つまり、自宅ということは、例えば、「米は炊ける」、「おかずとして、もう1品」のような、自宅での食事前提でのメニュー開発をした方が良いと考えています。そのため、米付きの弁当になっている時点で、テイクアウトの対象外になってしまいます。
例えば、王将の餃子はテイクアウトで大人気なのですが、あれはおかずしかないからです。この機会にテイクアウトを開始される飲食店の方は食事全体(≒弁当スタイル)で考えてしまいがちですが、おそらく、そうしない方がテイクアウトしやすいと思うユーザーは多いはずです。
お店で出来るメニュー全部を出さない、1品勝負でも問題なし
岐阜だと、冷やしたぬきで有名な更科さんのように、実際いろいろメニューがあっても、うちの名物はこの1品といったお店が人気です。先ほどの王将も、王将と言えば餃子。吉野家といえば、牛丼。ココイチと言えば、カレー。まさにこれです。
マーケティングの世界で「エボークドセット」という言葉がありますが、これはユーザーの頭の中で、ある商品を思い描いた時に出てくる商品はせいぜい3種類くらいで、その3種類に入らないと選んでももらえない、つまり買われないというものです。人は何か食べたいな、と思ったら、メニューを考えます。メニューが出てこない場合によく会話されるのは、「和洋中どれが良い?」「今週食べてないのは?」…こんな会話で、食事が決まっていきます。つまり、メニューのカテゴリがだんだん狭まっていき、選ばれるということになります。そうなってくると、落ち着くのは具体的なメニューではなく、大きな括りで、「パスタ食べたい」くらいの会話の着地です。その時に「パスタか、、、じゃあ、あの店だ!」のような思い付きをされるかが大事です。そこで、「岐阜でパスタといえば、うちの店!」という、言うなれば、ブランディングが必要です。
取りに行く時の駐車場がどうなっているか
岐阜のような田舎だと、車移動が当たり前なので、駐車場の有無が実は大事です。無いなら無いで、コインパーキングに停めるわけですが、10分停めても200円取られたりするので、その200円も含めてのテイクアウト料金だと考えます。例えばそれが、アメリカでマクドナルドが始まった時のように、お店の前に一時停止していたら、車まで持ってきてくれるのか?それとも、車を停めて、お店に入らないといけないのか、意外とこの情報があるかないかで、お店選びの基準も変わります。
ここ1か月で頻繁にテイクアウトをしていて、消費者目線で気になったことを書きました。
話はずれまずが、ついでに、ざっくりとマーケティングとブランディングの話をしておくと、マーケティングとは「見つけられる理由」のことで、ブランディングとは「選ばれる理由」のことです。この2つをセットにして考えないと、消費者は動きません。
岐阜テイクアウトなどのfacebookやサイトを活用して、見つけられる機会を増やし(これが広義な意味でのマーケティング)、まずは何のメニューに強い店かを覚えていただき、今後ユーザーがそのジャンルの食事を食べたい時に、頭の中の候補となる3店舗の中に入り(これがエボークドセット)、パスタだったら、あの店だよね!(これがブランディング)となることが、飲食店に限らずですが、どんなビジネスにおいても必要なことだと考えています。