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地方移住のためと言われる「広域求職活動費」は実は利用しづらい!?

新幹線

2/1の日経で厚労省の地方移住策として、遠隔地での求職活動に対し、交通費などの支給要件をこれまでの300km以上から200kmに条件を改める方向で2016年度中の実施を目指す、との記事がありました。

これは「広域求職活動費」のことだと思いますが、簡単に言うと、自分の居住地にあるハローワークの管轄区域外の企業に面接に行く際の宿泊費や交通費が援助される制度のことです。この要件が、これまでは往復300km以上だったところが、2016年中に往復200kmに条件を変更する方向で検討をしていくそうです。

ここでいう距離は「電車距離」のことです。例えば、東京駅から岐阜駅までは電車距離で396.3kmですので、もともとの要件でも実は対象になっています。なので、今年中に200kmに条件が緩和されても、僕らを含めた岐阜の企業にとっては何ら変化はありません。

この「広域求職活動費」は交通費や宿泊費まで出してくれる制度なので、ほとんどお金を使わずに遠方の会社を受けることが出来ます。金額でいうと3~4万円の補助にはなるのではないでしょうか。

これだけの金銭的メリットがあったら、もっと活発にこの制度が利用され、地方移住の話題でも頻繁に出てきてもおかしくないと思うのですが、ここ2,3年の地方移住の話題でほとんど話に出てきていません。

では、なぜ、これまでもあまり話題になっていないのか?

それは、この制度自体の利用の難しさにあるからです。
この制度の利用条件は企業側、応募者側から見ると、このようになっています。

[企業側]
この制度を利用するためには、ハローワークからの紹介が必須なので、そもそも企業側はハローワークで求人を出しておく必要があります。応募者が自分でその企業に直接応募すると支給対象外となります。ハローワークに求人を出せば良いだけなので、全く難しくありませんし、地方企業だと、採用活動の手法として真っ先に取り組むのがハローワークへの求人なので、普段通りにしていれば良いだけです。

[応募者側]
この制度は応募者側に難しさが多い制度です。

条件①:失業手当をもらっている状態であること
→在職中の土日で行う転職活動で利用しよう、ということは出来ません。会社都合での離職ではない場合、失業手当が出るのは退職日からざっくり4ヶ月目ですので、企業サイドから見ると、4ヶ月以上の離職期間がある人に見えてしまいます。企業によってはその離職期間をマイナスに捉えるところもありますので、制度設計としては意味不明です。在職中は無理だとしても、退職直後から使えるようにした方が早く就職できるかもしれないので、人を欲している企業側も、早く就職したい応募者側も、失業手当を払わなくてよくなる労働局側にもメリットがあるように思いますが、そうはなっていません。

条件②:なぜ、遠方の会社を受けるのか、労働局側を説得しなければ、認められない
→遠方の会社を受けたいとなっても、地元の雇用を増やしたい地元の労働局は似ている地元の企業を紹介しようと必死になって当然です。その必死な会社紹介を切り返すだけの“理由”が必要なのです。つまり、ここで言えるのは、「自分の家族関係で移住しなければならない」や「全国で見ても、その企業しかやっていないことで、私はそこに情熱を持った。」などの理由が無いと認められることは難しいと思われます。

ちなみに、この「広域求職活動費」は地方から東京への就職でも適用される制度です。この制度は地方移住推進のためとは言われますが、地元の労働局を説得することを考えると、企業数の多い東京であれば、全国でそこしかやっていない会社も見つかりやすいので、受ける理由は見出しやすいかと思います。なので、実はこの制度が使いやすいのは、地方から東京への就職なのではないか、とも思います。

こういった背景がある中で、地方の経営者として考えなければいけないのはこのようなことです。

①今後、UIJターンでの採用を増やしたいと考えるのであれば、ハローワークの求人票の中だけでも十分な差別化があり、全国でもここの会社しかやっていない、という自社の特徴を見出すこと
②こういった制度が利用出来るということを、転職希望者に伝えること

特に自社の特徴は「地元の中で差別化が出来ている」ぐらいでは全く差別化になっていないと認識しなくてはいけません。それくらい、UIJターンでの採用は甘く考えてはいけないことだと思います。「地元に帰ってきたい人に対して、タイミングが合えば、採用しよう。」ぐらいの感覚だと、それは「UIJターン採用をやっている」とは言えないです。

人口減とインフラの発達という地方にとってはダブルで厳しい未来が目の前まで来ていて、今後の採用活動にはとても危機感を感じているので、当社も採用活動への取り組み方を変えて、積極的に行っていきます。

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※「広域求職活動費」はこの他にも要件があるようですし、もしかしたら、細かいニュアンスで間違っている情報もあるかもしれませんが、直接労働局に問い合わせをして確認した内容を基に執筆しています。

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